春光社の誕生 〜地下鉄とともに〜
地下鉄の父、早川徳次(のりつぐ)により1927年(昭和 2年)12月30日、日本で最初の地下鉄(上野〜浅草間2.2キロ)が誕生しました。大正時代に、東京の将来の都市交通構想は地下鉄しかないと建設に立ち上がった早川徳次の時代を見抜く先見性は、今日においても高く評価されています。
早川徳次は鉄道事業の推進とともに鉄道の広告収入も重視し、地下鉄広告業務を委任された望月清矣(現創業者相談役の父)は、開業の半年前の6月1日、春光社の前身である「アングラ社」を設立しました。1863年世界で最初に開通した地下鉄会社ロンドン・アンダーグランド・リミテッド(London Underground Limited)に因んで名付けられたアングラ社は広告の一手取り扱い代理店として地下鉄開業と同時に車内と駅の交通広告業務を開始しました。

東洋唯一の地下鉄道ポスター

東洋唯一の地下鉄道ポスター(杉浦 非水)
またアングラ社は地下鉄開業時のポスターに商業美術の第一人者、杉浦非水氏を起用し、「東洋唯一の地下鉄道」と描かれたポスターは斬新で色彩豊かな広告ポスターとして話題を呼び、今日のポスターデザイン広告の基礎を築いたと言われています。
開業の一時的なブームが去ると乗客も減り、金融恐慌による大不景気も重なり、延伸工事を控えた地下鉄の苦難の時代の中、春光社(アングラ社)は当時の代表的な化粧品会社、沿線百貨店、そのほか有名商品などのポスターや壁面看板を展開しました。
まさに春光社の誕生、歴史は1927年以来東京都心の交通ネットワークの一翼を担った地下鉄とともに発展・拡大したと言えるでしょう。


